「節税」という言葉は、便利な反面、誤解を招くこともあります。
税理士として相談を受ける中でも、この言葉が一人歩きしていると感じる場面は少なくありません。
その本当の意味について考えてみます。

「節税」とは何か?
①節税の一般的なイメージ
節税と耳にすると、
- 税金の節約ができる
- 税金を安くできる
- お得な方法
といったイメージはないでしょうか?
まったく的外れではないけれど、少しズレている。
極端に解釈すると誤解を招く。
そのような言葉だと思うのです。
②節税の内容とは?
節税の内容をひとことで言えば、「自分に有用で、税金を減らせる方法」です。
このうち、「経費計上できる」という点だけが、先行して伝わっている印象があります。
- 本来は必要のない支出=自分に有用でない支出
を経費にして税金を減らすということは、節税ではなく「無駄遣い」です。
③節税は結果であり、目的ではない
そして、「節税するために●●をする」ということも、適切でないケースが多いです。
必要でないのに、
生命保険に加入する/経営セーフティ共済に入る/出張する
など。
節税は、目的ではなく「結果」です。
もちろん取り入れた方が良い手法も存在するのは確かですが、
「本当に自分に必要か?」はよく考えたいところです。
本来の意味を知っておこう
つまるところ、節税とは「税金の最適化」であると考えています。
「税金の最適化」とは、自分に必要な施策を取り入れて、適切に税金を支払うことです。
しかし、
「税金を最適化しましょう!」
と
「節税しましょう!」
だと、どうしても伝わる威力は
後者に軍配が上がると感じます。
ただ、適切な表現が、
必ずしも伝わりやすいとは限りません。
だから、「言葉に惑わされずに、その芯を把握しておきたい」と思うのです。
よくある節税の誤解
①「節税手法はいくらでもある」という誤解
無制限に使える節税手法があるわけではありません。
その数には限界があることを知っておきましょう。
②「節税にリスクはない」という誤解
「みんなやっているから安心」
「メディアで話題になっているから大丈夫」
これにも危険なケースがあるため注意が必要です。
最後に責任を負うのはご自身です。
上手い話には乗らないようにご注意を。
まとめ
なんでもかんでも節税が可能になるわけではありません。
個人よりも法人の方が手法の幅は広いこともありますが、
無限にあるわけでもなく。
そして、そもそも儲かっていない事業(=利益が出せない事業)では
節税をすることは難しくなります。
原則として、利益(または利益から生じる税金そのもの)を圧縮する効果を持つのが節税だからです。
圧縮の対象(利益)が薄い、あるいは存在しない
という状況においては、節税よりも先に考えるべきことがあるはずです。
節税を目的にするのではなく、事業の状況に合った税務の考え方を持つことが大切です。
「節税」という言葉に踊らされないように気を付けましょう。