個人事業主として、ある程度の利益が出ると
「法人化した方がいいのかな…」
と悩む場面が出てきます。
ただ、世の中のシミュレーションツールは、
税額比較のみの簡易的なものが多く、
税金以外のコストが見落とされるケースも少なくありません。
この税金以外の「隠れコスト」も踏まえ、
それでも法人化した方が有利
と判断できるなら、法人化を検討するのがおすすめです。
今日はその確認ポイントをお伝えします。

※こうした数値だけで法人化を決めないようにしましょう。
ポイント①:社会保険料
法人化のメリットとして、
「税率が下がる」
「節税できる」
といった点がよく挙げられます。
確かに税金は重要なポイントですが、
同じくらい重要なのが「社会保険料」です。
個人事業主と法人(会社役員)のケースを比較すると、
以下のとおりです。
| 項目 | 個人事業主 | 法人(役員) |
|---|---|---|
| 加入制度 | 国民健康保険+国民年金 | 健康保険+厚生年金 |
| 保険料の計算 | 所得ベース | 役員報酬ベース |
| 保険料の負担 | 全額自己負担 | 会社+本人で折半 |
| 年金 | 国民年金(定額) | 厚生年金(報酬比例) |
| 家族の扱い | 人数分の保険料 | 扶養なら追加負担なし |
| 負担率 | 所得×15〜20% ※自治体差や扶養関係で変わる | 役員報酬×約30% ※会社+本人合計 |
表の下段(負担率)を見ると分かるように、
法人化すると社会保険料の負担が大きくなりやすい傾向があります。
(役員報酬を下限に設定したり、個人と法人で事業を分けるマイクロ法人戦略を取れば別ですが)
試算をしてみると、
「社会保険料の増加によって、税金の軽減メリットが相殺される」
ということも少なくありませんので、注意が必要です。
社会保険料のシミュレーションが織り込まれているかは、
必ず確認するようにしましょう。
ポイント②:事務コスト(初期+運用)
法人化すると、事務コストも増えます。
会社形態(株式会社・合同会社)によって多少異なりますが、
概ね以下のようなイメージです。

金額面だけでなく、運営の手間もかかります。
そのほか、以下のような事務面での対応も必要となり、
専門家に依頼するのであれば、その報酬も必要です。
- 法人決算
- 社会保険手続き
- 年末調整
- 法定調書
- 役員報酬の管理
私も会社を設立した際に感じましたが、
想像以上に事務手続きが増える印象があります。
ある程度のコスト負担(手間か金額化)の覚悟は、
必要だと捉えておきましょう。
ポイント③:心理コスト
そして、意外と見過ごせないのは「心理コスト」です。
法人になると、
- 社会保険料の負担が増える
- 赤字でも法人住民税が発生(約7万円)
- 税務調査の対象になりやすくなる
といった変化が起きやすいです。
個人事業主であれば、比較的身軽に動けますが
法人になると、制度に縛られる場面も増えていきます。
まとめ
以上、隠れた3つのコストに触れてきました。
税額だけではなく、
- 社会保険料
- 事務コスト
- 心理コスト
の3つも確認したうえで、
それでも法人化が有利かどうか?
を判断するようにしましょう。
法人化の判断は、事業内容や利益水準によっても変わります。
迷う場合は個別にシミュレーションすることも可能です。
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- 本ツールは一般的な前提による試算です。
- 実際の税額・社会保険料等は、地域、家族構成、事業内容、各種届出の状況等により異なります。
- 本ツールにはVBA(マクロ)は使用していません。
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