FAQ No.008

決算後に支払う費用は、未払計上が必要ですか?

ご相談内容
決算日までにサービスの提供を受けていますが、請求や支払いは決算後になる費用があります。
この場合、当期の費用として未払計上する必要があるのでしょうか。
回答
Contents

結論

決算日より後に支払う費用でも、
決算日までに債務が確定している場合は、原則としてその事業年度の費用として計上します。

まだ支払っていないことや、請求書の発行・到着が決算後になることだけを理由に、翌期の費用になるわけではありません。

一方、決算日時点でまだサービスの提供を受けていないなど、債務確定の要件を満たしていない費用は、その事業年度の損金には算入しません。

決算時に確認する3つのポイント

法人税では、販売費や一般管理費などについて、
事業年度終了の日までに次の3つをすべて満たしているかを確認します。

  • その費用について債務が成立している
    (支払う義務が生じている)
  • 支払義務の原因となる事実が発生している
    (サービスの提供を受けた、修繕が完了したなど)
  • 金額を合理的に算定できる
    (いくら支払うのかを合理的に見積もれる)

たとえば、国税庁は修繕費について、決算日までに修繕が完了し、金額を客観的に見積もれる状況であれば、未払金等として計上できる例を示しています。


ケース1|決算前に業務が完了

→ 当期の費用として計上

外注先などの業務が決算日までに完了し、支払義務が生じていて、金額も分かっている場合です。
実際の支払いが翌期でも、当期の未払金・未払費用などとして計上します。

ケース2|請求書が未着

→ 条件を満たせば当期に計上

請求書が決算後に届く場合でも、決算日までにサービスの提供を受け、支払義務が生じ、金額を合理的に算定できるのであれば、当期の費用として計上します。

ケース3|決算時点では提供前

→ 原則として翌期の費用

決算日時点でまだサービスの提供を受けておらず、支払義務も生じていない場合には、原則として当期の費用には計上しません。

請求書の日付だけでは決まらない

費用を計上する時期は、請求書の「発行日」や「到着日」だけで判断するものではありません。

特に注意したいのは、請求書が決算前に発行されているケースです。

決算日時点でまだサービスの提供を受けていない部分については、請求書が発行されているという理由だけでは、当期の費用とは判断できません。

請求書の日付よりも、決算日までに実際にどこまで取引が行われ、支払義務が生じているかを確認します。

未払計上を判断するときに確認する資料

決算日をまたぐ費用では、

  • 契約書
  • 発注書
  • 業務完了の記録
  • メール
  • 見積書
  • 請求書

などから、決算日までに何の提供を受け、どこまで支払義務が生じていたかを確認します。

「支払った日」だけで経費の時期を決めず、取引の実態に合わせて決算時の未払計上を確認することが大切です。

参考情報・根拠 3件
法令 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)
概要
法人税法22条3項2号では、販売費、一般管理費その他の費用について、償却費を除き、その事業年度終了の日までに債務が確定していないものを損金の額から除くことを定めています。
このFAQとの関係
決算日後に支払う費用であっても、支払日ではなく事業年度終了の日までに債務が確定しているかによって、その事業年度の損金となるかを判断する基本的な法令根拠。
通達・告示 法人税基本通達 第2章第2節第2款 販売費及び一般管理費等(2-2-12 債務の確定の判定)
概要
事業年度終了の日までに債務が確定した費用とするためには、①費用に係る債務が成立していること、②その債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していること、③金額を合理的に算定できること、の3要件すべてを満たす必要があることを示しています。
このFAQとの関係
未払費用をどの事業年度に計上するかを判断する具体的な3要件の根拠。請求書の発行日や実際の支払日だけで判断するものではないことを本文へ反映しています。
国税庁 No.5387 販売費、一般管理費その他の費用における債務確定の判定
概要
法人税基本通達2-2-12の債務確定の3要件を解説し、修繕費について、修繕が完了し、金額を客観的に見積もることができる状況であれば、未払金等として計上できる例を示している。
このFAQとの関係
決算日までに支払いが終わっているかではなく、役務の提供状況や支払義務、金額の算定可能性を確認するという実務上の判断方法を具体化する資料として本文へ反映している。

ご自身の状況に当てはめて確認したい方へ

個別の事情を確認しながら判断したい場合は、以下のサービスをご利用いただけます。

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