FAQ No.044

パソコンの周辺機器やソフト代は取得価額に含めますか?

ご相談内容
仕事用のパソコンを購入する際、本体以外にもソフトウェアや周辺機器などの費用が発生します。
これらはパソコン本体の取得価額に含めるのでしょうか。
また、使用開始後に追加購入した場合はどのように処理しますか?
回答
Contents

結論

パソコン関連の支出は、PC本体の取得価額に含めるものと、
別の資産・費用として処理するものに分けて判断します。

基本的な考え方を表でまとめています。

費用の種類 具体例 基本的な取扱い
PC本体 本体購入代金(値引きあり) 値引き後の金額を基礎とする
購入時の付随費用 送料・初期設定費用・購入手数料 本体の取得価額に含める
振込手数料 銀行への通常の振込手数料 原則、支払手数料として処理
ソフトウェア Office・セキュリティソフト(別売の買い切り版) 原則、PC本体とは別の資産として判断
OSアップグレード Windowsのアップグレードなど 導入時期や内容に応じて判断
周辺機器 マウス・キーボード・スタンドなど 原則、個別の資産として判断
後から追加購入 外付けカメラ・充電器など 原則、既存PCに加算せず個別に判断
PC内部の改良 性能向上を目的とした部品交換 修繕費・資本的支出を区分して判断

PC本体の取得価額に含める費用

取得価額を判断する際は、PCを購入して使用を開始するために直接必要な費用かどうかがポイントです。

特に、銀行に支払う通常の振込手数料と、販売業者に支払う購入手数料では取扱いが異なります。

請求書や購入明細を確認し、それぞれの費用を区分しましょう。

ソフトウェアと周辺機器の扱い

OSについては、購入時にPC本体と一体で導入したものか、別途ライセンスを取得したものかを確認します。
使用開始後のアップグレードは、内容に応じてソフトウェアの取得や改良費用として判断します。

また、周辺機器は独立した製品として購入し、取り外して使用できるものであれば、原則として個別に判断します。

ただし、通常1組または1そろいとして取引され、全体で一つの機能を果たすものは、セット全体で取得価額を判定します。
同時に購入したという理由だけで、すべてを合算するものではありません。

使用開始後の追加購入・改良

PCの使用開始後は、独立して使用できる周辺機器の追加購入か、既存PCの改良に当たる支出かを区分します。

PC内部の部品を交換して性能を向上させるような支出は、修繕費と資本的支出の区分が必要です。

資本的支出に該当する場合、原則として既存のPCとは別の減価償却資産を取得したものとして償却します。

なお、1回の修理・改良等の金額が20万円未満の場合などには、修繕費として必要経費に算入できる取扱いがあります。

少額の資産は使用開始時に経費にできる

独立した資産として判断できる場合、取得価額が10万円未満であれば、原則として使用開始した年に全額を必要経費にできます。

また、一定の要件を満たす青色申告者については、2026年4月1日以後に取得した40万円未満の減価償却資産を、年間300万円を限度として、使用開始した年に全額必要経費にできる特例があります。

取得価額の金額基準は、税抜経理であれば税抜金額、税込経理であれば税込金額で判定します。

購入時は、請求書や明細書を保存し、PC本体・ソフトウェア・周辺機器の金額と購入内容を確認できるようにしておきましょう。


最後に参考までに具体例を示します。

具体例|PC本体・ソフトウェア・周辺機器の仕訳

次のものを事業用に購入したケースを考えます。

購入内容金額
PC本体220,000円
値引き△20,000円
送料2,000円
Office(別売・買い切り版)30,000円
マウス5,000円
銀行振込手数料330円
合計237,330円

この場合、PC本体の取得価額は202,000円(220,000円-20,000円+2,000円)です。

Officeとマウスはそれぞれ独立した資産として判断し、10万円未満のため消耗品費として処理します。

仕訳は次のとおりです。

借方金額貸方金額
工具器具備品202,000円普通預金202,000円
消耗品費30,000円普通預金30,000円
消耗品費5,000円普通預金5,000円
支払手数料330円普通預金330円

さらに、PC本体について少額減価償却資産の特例を適用できる場合は、次の仕訳で全額を必要経費に算入できます。

借方金額貸方金額
減価償却費202,000円工具器具備品202,000円

※ 2026年4月1日以後に購入・使用開始したものとし、税込経理・事業使用割合100%を前提としています。特例の適用には、青色申告など一定の要件と申告上の手続があります。

参考情報・根拠 7件
法令 所得税法施行令 第126条(減価償却資産の取得価額)
概要
購入した減価償却資産の取得価額について、購入代価に購入のために要した費用と業務の用に供するために直接要した費用を加算することを定めています。
このFAQとの関係
パソコンの値引き後の購入代価を取得価額の基礎とし、送料や設定費用などの付随費用を含めるかどうかを判断する根拠となります。
通達・告示 租税特別措置法に係る所得税の取扱いについて 第28条の2関係(取得価額の判定単位)
概要
少額減価償却資産の取得価額について、通常1単位として取引される単位で判定することを示しています。工具、器具及び備品は、1個、1組または1そろいごとに判定します。
このFAQとの関係
パソコン本体と周辺機器を別々の資産として扱えるか、セット全体で判定すべきかを判断する根拠となります。購入時期だけではなく、取引や機能の単位が重要です。
国税庁 No.5461 ソフトウエアの取得価額と耐用年数
概要
購入したソフトウェアは減価償却資産に該当し、購入代価のほか、導入に必要な設定費用などを取得価額に含めることを示しています。一般的なソフトウェアの法定耐用年数は5年です。
このFAQとの関係
OfficeなどをPC本体とは別に取得した場合、ソフトウェアとして資産判定する際の参考になります。この資料は法人税に関するものであり、個人事業者については所得税法施行令第126条等に基づいて判断します。
国税庁 No.1379 修繕費とならないものの判定
概要
固定資産の維持管理や原状回復に係る支出と、使用可能期間を延長したり資産価値を高めたりする資本的支出との区分を説明しています。また、1回の修理・改良等が20万円未満の場合などに修繕費として処理できる基準を示しています。
このFAQとの関係
PCの内部部品交換や性能向上のための支出について、必要経費にできるか、資本的支出として扱うかを判断する根拠となります。
国税庁 No.2107 資本的支出を行った場合の減価償却
概要
2007年4月1日以後に行った資本的支出については、原則として既存資産と種類・耐用年数が同じ新たな減価償却資産を取得したものとして償却することを説明しています。
このFAQとの関係
PCの使用開始後に資本的支出が生じた場合でも、既存PCの取得価額に必ず直接加算する処理になるわけではないことが確認できます。
国税庁 No.6909 税抜経理と税込経理の選択適用(個人の場合)
概要
個人事業者における消費税の税込経理方式と税抜経理方式の選択および適用上の原則を示しています。
このFAQとの関係
取得価額の金額基準を税込・税抜のどちらで判定するかについて、採用している経理方式を確認するための根拠となります。
法令 租税特別措置法 第28条の2(中小事業者の少額減価償却資産の取得価額の必要経費算入の特例)
概要
一定の中小事業者である青色申告者について、取得価額40万円未満の減価償却資産を業務の用に供した年に必要経費へ算入できる特例を定めています。適用期限や対象資産、適用手続についても規定しています。
このFAQとの関係
2026年4月1日以後に取得したPCやソフトウェアなどについて、通常の減価償却に代えて全額を必要経費に算入できるか判断する根拠となります。

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