A回答
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結論
法人に帰属する売上であれば、代表者の個人口座に入金された場合でも、法人の売上として計上できます。
例えば、法人口座の開設前に、代表者が法人の売上代金を一時的に受け取り、後から法人へ送金する場合です。
ただし、請求書や入金口座の名義だけで売上の帰属を決めることはできません。
法人が取引の当事者であり、その売上を受け取る権利を有していることが重要です。
売上が個人と法人のどちらに帰属するか
次のような事情を確認します。
- 契約の当事者が個人と法人のどちらか
- 業務を提供した時期と契約の切替時期
- 売上債権や取引上の責任がどちらに帰属するか
- 売上代金を誰が管理し、最終的に受け取るか
※ 売上の帰属は、名義だけでなく実態に基づいて判断します
ひとり会社の場合、個人事業のときも法人化後も、実際に仕事をするのは同じ代表者です。
そのため、個人と法人のどちらが取引先と契約し、仕事の責任を負っているかなどを確認して、売上の帰属を判断します。
なお、法人設立前に個人事業として行った仕事の売上は、設立後に入金されても、個人の売上となります。
法人と個人の仕訳
法人の売上代金を代表者が一時的に代理受領し、全額を法人に送金する場合、次の仕訳が考えられます。
売上金額1,000千円の例として考えてみます。
| 項目 |
個人 |
法人 |
| 借方科目 |
金額 |
貸方科目 |
金額 |
借方科目 |
金額 |
貸方科目 |
金額 |
| 売上計上時 |
|
|
|
|
売掛金 |
1,000 |
売上高 |
1,000 |
| 個人口座への入金時 |
普通預金 |
1,000 |
預り金 |
1,000 |
預け金 |
1,000 |
売掛金 |
1,000 |
| 法人口座への送金時 |
預り金 |
1,000 |
普通預金 |
1,000 |
普通預金 |
1,000 |
預け金 |
1,000 |
個人側の仕訳は、個人事業の帳簿で当該口座を管理している場合の例です。
法人の売上なので、個人事業の売上には計上しません。
なお、「預け金」は一時的な代理受領を前提とした勘定科目です。
保存しておきたい書類
法人の売上であることと、個人口座への入金が一時的なものであることを説明できるよう、次の資料を保存しておきましょう。
- 法人名義の契約書・請求書
- 契約の切替時期が分かる資料
- 業務の提供・完了を確認できる記録
- 個人口座への入金履歴
- 個人口座で代金を受け取ることについての取引先との合意記録
- 個人口座から法人口座への送金記録
個人と法人の資金が混在する期間はできるだけ短くし、法人口座の開設後は速やかに精算することをおすすめします。
参考|消費税の取扱い
法人に帰属する課税売上は、代表者の個人口座に入金されても、
法人の課税売上として取り扱います。
また、消費税の納税義務は個人と法人で別々に判定します。
法人の資本金やインボイス登録の有無などによっては、
設立初年度から課税事業者になるため、注意が必要です。
参考情報・根拠
5件
法令
法人税法(第11条・実質所得者課税の原則)
概要
法人税法第11条は、資産や事業から生じる収益について、法律上の名義人が単なる名義人であり、実際には別の法人が収益を享受している場合、その収益を実際に享受する法人に帰属させることを定めています。
このFAQとの関係
売上の帰属を請求書や銀行口座の名義だけで決めるのではなく、実際に収益がどの事業主体に帰属するかを判断する根拠となります。
原文を見る ↗
通達・告示
法人税基本通達2-6-2(法人の設立期間中の損益の帰属)
概要
法人の設立期間中に設立中の法人について生じた損益は、原則として設立後最初の事業年度の所得計算に含めて申告できることが示されています。ただし、個人事業を引き継いで法人を設立した場合、その個人事業から生じた設立前の損益については、この取扱いの対象外とされています。
このFAQとの関係
法人成り前の個人事業から生じた売上を、設立後の法人の売上に含めることは原則として認められません。入金時期や請求書の名義変更だけで、売上の帰属を移すことができない点を確認できます。
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国税庁
実質所得者課税に関する一考察-所得税における所得の帰属判定を中心に-
概要
実質所得者課税の考え方について、裁判例等を踏まえながら、所得の帰属を判断する際の具体的な要素を整理した研究論文です。事業所得については、経営主体としての実体、資金調達、収支管理、事業運営への関与などが判断要素として挙げられています。
このFAQとの関係
法人と個人のどちらに売上が帰属するかについて、契約名義に加えて、事業上の権利義務や収益の管理状況などを確認する考え方を理解できます。税務大学校の研究論文であり、法令や通達そのものではありません。
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国税庁
No.6125 国内取引の納税義務者
概要
個人事業者が法人成りした場合、消費税の納税義務は個人と法人で別々に判定することが示されています。個人事業者の基準期間や特定期間における課税売上高は、法人の基準期間や特定期間における課税売上高にはなりません。
このFAQとの関係
個人事業で免税事業者だった場合でも、法人の消費税の納税義務は独立して判定する必要があります。法人成り後の消費税の取扱いを確認できます。
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国税庁
No.6503 基準期間がない法人の納税義務の免除の特例
概要
新たに設立された法人について、消費税の納税義務が免除される原則と、その例外を説明しています。資本金が1,000万円以上の新設法人や、適格請求書発行事業者に登録した法人などについて、納税義務が生じる条件が示されています。
このFAQとの関係
法人成り後の法人が消費税の免税事業者となるかを判断する際には、資本金やインボイス登録などを確認する必要があります。
原文を見る ↗
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