足立区で個人事業を始める場合、税務署への届出だけでなく、健康保険・年金、銀行口座、経理環境なども整えておく必要があります。
初めての開業では、「何から手をつければいいのか」と迷われる方も多いものです。
ざっくりと、次のような流れで進めていきましょう。
開業前:Web・退職資料・マイナンバーカード
→ 必要な手続き:税務届出・健康保険・年金
→ 事業環境:口座・クレジットカード・経理環境
※ すべてを最初から専門家に任せる必要はありません。分からないところだけ相談する方法もあります。
1.開業前にやっておきたいこと
①Webサイトをつくっておく
事業内容にもよりますが、開業前からWebサイトやSNSなどで、ご自身の事業内容やサービスを発信しておくのがおすすめです。
Webサイトがあれば名刺代わりにもなりますし、お客様が依頼する前に、サービス内容や考え方などを知ることができます。
特に、お客様がインターネットで事業者を探す業種であれば、開業前から情報を出しておくことで、開業後の営業も始めやすくなります。
②会社員を辞めるなら、退職関係の書類を保管する
会社員を辞めて独立する場合、退職時に会社からさまざまな書類が発行されます。
たとえば、
- 給与所得の源泉徴収票
- 退職金に関する資料
- 退職証明書
などです。
退職した年の所得税の確定申告で必要になるものや、国民健康保険に加入する際に必要になる証明書もあります。
受け取った書類は、捨てずにまとめて保管しておきましょう。
③マイナンバーカードをつくっておく
マイナンバーカードがあると、税金関係や国民年金など、開業後に必要になるさまざまな手続きをオンラインで進められます。
独立すると、会社員時代よりも自分で行政手続きをする機会が増えます。
まだ持っていない場合は、開業前に作っておくと便利です。
マイナンバーカードを読み取れるスマートフォンがあれば多くの手続きができますが、パソコンで利用する場合はICカードリーダーがあると便利です。
2.開業したら必要な手続きをする
開業したら、税務関係の届出を進めます。
また、会社員を辞めて独立する場合は、健康保険・年金についても確認しておきましょう。
①税務の手続きをする
足立区は、住所によって管轄税務署が異なります。
「足立税務署」と「西新井税務署」のどちらが管轄になるか、国税庁ホームページで確認しておきましょう。
開業時に確認したい主な届出は、次のとおりです。
| 区分 | 届出・申請 | 必要になる人 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 実質必須 | 個人事業の開業届 | 個人事業を始めた人 | 個人事業を始めたことを税務署へ届ける |
| 所得税の青色申告承認申請書 | 青色申告をしたい人 | 青色申告の特典を受けるための申請 | |
| 必要に応じて | 給与支払事務所等の開設届出書 | 従業員などに給与を支払う人 | 給与を支払う事務所を開設したことを届ける |
| 青色事業専従者給与に関する届出書 | 家族に給与を支払う人 | 要件を満たす家族への給与を必要経費にするための届出 | |
| 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 | 源泉所得税を納める人 | 毎月ではなく、原則年2回にまとめて納付できるようにする申請 |
すべての人が、すべての届出を提出するわけではありません。
人を雇わず、ひとりで事業を行い、青色申告をするケースであれば、国税関係ではまず上の2つを確認しておけばいいでしょう。
マイナンバーカードがあれば、これらの届出をオンラインで進めることもできます。
届出書は、会計ソフト会社が提供している無料の開業ツールを使って作成する方法もあります。
たとえば、
などです。
開業手続きのためだけに、会計ソフトと有料契約する必要はありません。
まず無料ツールで作ってみて、分からないところがあれば専門家に確認してもらう方法もあります。
②国民健康保険・国民年金を切り替える
会社員を辞めて個人事業主になる場合は、勤務先の健康保険・厚生年金から外れることになります。
国民健康保険・国民年金へ切り替える場合は、速やかに手続きを進めましょう。
なお、健康保険を任意継続する場合などは、国民健康保険への加入は不要です。
| 加入手続き | オンライン | 郵送 | 窓口 | おすすめ |
|---|---|---|---|---|
| 国民健康保険 | ❌ | ✅ | ✅ | 窓口 |
| 国民年金 | ✅ | ✅ | ✅ | オンライン |
国民健康保険はオンラインでは完結できず、窓口または郵送での手続きになります。
郵送でもできますが、書類をそろえて発送する手間や、不備があった場合の手戻りを考えると、時間が取れるのであれば窓口で済ませるのも一つの方法です。
国民健康保険
会社を退職して独立した場合は、退職時に受け取った証明書などを使って手続きを進めます。
足立区役所のほか、区民事務所などでも手続きできます。
私自身は足立区役所の北館2階で手続きをしました。
空いている時間帯であれば、それほど時間はかかりませんでした。
必要書類や手続き場所については、足立区ホームページ(国民健康保険に関する手続き)で事前に確認しておきましょう。
国民年金
国民年金は、マイナポータルからオンラインで手続きできます。
国民健康保険の手続きで窓口へ行く場合は、あわせて窓口で手続きをする方法もあります。
一方、マイナンバーカードを持っているのであれば、国民年金はオンラインで済ませるのもおすすめです。
オンライン手続きの詳細
オンラインで手続きする場合は、マイナポータルにログインし、
「おかね」の中にある「年金」を選択します。

「国民年金の加入」という項目がありますので、選択して進みます。

次の画面では、「国民年金への加入」を選択します。

下にスクロールして「手続きに進む」をクリック。

本人情報は、「マイナンバーカードで情報を取得」を選択して取得します。
※WindowsのChromeでマイナポータルアプリのアップデートを求められた場合は、
「マイナポータルアプリのインストール/バージョンアップ」のページから更新できます。

添付書類が必要な場合は、次の画面でアップロードします。
JPEG(jpg)またはPDF形式で添付できるため、必要書類をスマホなどで撮影した写真でも大丈夫です。

最後に、確認画面で入力内容を確認し、「申請」をクリックすれば完了です。

初回相談40分(通常9,800円/税込)
👇以下の方は初回相談無料
開業5年以内 + クラウド会計(freee / MF)利用中または導入予定
40分で「税務・経理の不安」と「次の一手」を整理
初回相談はこちら3.事業を続けやすい環境を整える
税務や社会保険の手続きが済んだら、事業を続けやすい環境も整えておきましょう。
ここから先は必須ではありませんが、開業時に整えておくと、その後の経理がかなり楽になります。
①事業専用の銀行口座・クレジットカードをつくる
事業を始めるのであれば、銀行口座とクレジットカードは、できるだけ事業専用のものを用意しておくことをおすすめします。
プライベートと共用しても問題はありません。
ただし、生活費と事業経費が同じ口座やカードに混ざると、経理をするときに「どれが事業に関するものなのか」を毎回選別する必要があります。
数か月前の取引を確認するときには記憶も薄れているため、判断に時間がかかることもあります。
銀行口座とクレジットカードを、それぞれ1つずつ事業専用にするだけでも、経理はかなり整理しやすくなります。
クラウド会計を使うのであれば、ネット銀行もおすすめです。
- 短時間で開設できることが多い
- 手数料が安め
- クラウド会計と連携しやすい
といったメリットがあります。
クレジットカードについては、クラウド会計と連携すると便利な面もありますが、どのように経理するかという設計も大切です。
また、クレジットカードの明細だけでなく、請求書・領収書・レシートなど、経費を支払ったことが分かる資料もきちんと残しておきましょう。
まずは事業専用のカードを1枚用意して使ってみて、使いづらければ後から経理方法を見直しても問題ありません。
②経理の環境を整える
経理は、後からまとめてやろうとすると非常に手間がかかります。
これはクラウド会計を導入していても同じです。
銀行口座やクレジットカードを会計ソフトに連携しただけで、すべての経理が自動で終わるわけではありません。
使うものは、
- freee
- マネーフォワード
- Excel
など、ご自身に合うもので構いません。
大切なのは、開業直後から経理する習慣をつくることです。
1日5分でも構いません。
日々少しずつ経理しておけば、確定申告の時期になってから1年分の資料をまとめて整理する必要がなくなります。
開業時の手続きだけでなく、開業後も無理なく続けられる経理環境をつくっておくことが大切です。
③足立区の創業支援も確認してみる
足立区では、これから創業する方や創業後間もない方に向けた支援を行っています。
事業内容について相談したり、創業融資では利子補給や信用保証料の補助を受けられる制度もあります。
私自身も創業融資の相談で利用しましたが、窓口で丁寧に説明していただきました。
利用できる制度がないか、一度足立区の創業支援情報を確認してみるのもおすすめです。
まとめ|分からないところだけ、相談すればいい
足立区で個人事業を始める場合、
開業前の準備
→ 税務・健康保険・年金の手続き
→ 銀行口座・クレジットカード・経理環境の整備
という順番で進めていけば、整理しやすいでしょう。
開業時には慣れない手続きもありますが、ご自身でできることも多いです。
税理士にすべて任せなければ開業できないわけではありません。
無料の開業ツールなどを使ってご自身で手続きを進め、
「この届出で合っているか確認したい」
「経理のやり方だけ相談したい」
といった部分だけ専門家に相談する方法もあります。
当事務所では、足立区を中心に、個人事業主の方からの単発相談や、開業後の経理環境づくりのサポートも行っています。
分からないところだけ相談したい、という方もお気軽にご相談ください。
初回相談40分(通常9,800円/税込)
👇以下の方は初回相談無料
開業5年以内 + クラウド会計(freee / MF)利用中または導入予定
40分で「税務・経理の不安」と「次の一手」を整理
初回相談はこちら