クラウド会計(freeeやマネーフォワードクラウドなど)を使い始めると、
- 銀行口座
- クレジットカード
の連携をすすめられることが多くあります。
銀行口座の連携は、入出金の確認や消込を考えると、基本的には設定しておきたいところです。
一方で、クレジットカード連携については、必ずしもすべてのケースで連携すればよいとは限りません。
事業内容、証憑の管理方法、経理の進め方によっては、
クレジットカードを連携しない方が整理しやすいケースもあります。
今回は、クラウド会計におけるクレジットカード連携の考え方について整理します。

極端に言えば、銀行口座の連携だけでも成立する
たとえば、100の経費をクレジットカードで払ったとします。
この場合、レシート・領収書・請求書などの証憑をもとに、次のような仕訳を登録します。
◇経費が発生した時
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 経費 | 100 | 未払金 (クレジットカード) | 100 |
この仕訳は、ExcelやGoogleスプレッドシートなどで整理しておき、月に1度クラウド会計へ取り込む形でも対応できます。
その後、クレジットカードの引き落としが銀行口座から行われると、銀行口座の明細がクラウド会計へ連携されます。
◇出金した時
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 未払金 (クレジットカード) | 100 | 預金 | 100 |
このように、発生時に計上した未払金を、銀行口座からの出金時に消し込む流れです。
この方法のメリットは、次のような点です。
- ネット取引でもリアル取引でも、共通のルールで処理できる
- 決済手段が複数あっても、証憑ベースで整理しやすい
- 紙で受け取ったレシートや領収書を、クレジットカード明細に無理に紐づけなくてよい
- クレジットカード明細と証憑を1件ずつ照合する手間を減らせる
※定期的な未払金残高の確認は必要です
ただし、サブスクリプションのように毎月自動で発生する取引については、手入力やインポートの方がかえって手間になることもあります。
そのため、クレジットカード連携を使うかどうかは、
取引の種類ごとに分けて考えるのがおすすめです。
クレジットカード連携の注意点
クレジットカード連携は便利な機能です。
ただし、連携すれば経理がすべて自動化されるわけではありません。
ひとことで言えば、
クレジットカード連携は、明細の取得には便利。
ただし、証憑確認・計上時期・二重計上防止まで自動化できるわけではない。
ということです。
①証憑が自動でつかない/内容確認が必要
クレジットカード連携をしたとしても、
原則として、その根拠資料が自動で連携されるわけではありません。
そして、その根拠資料は別途保管しておく必要があります。
これに加え、
- 明細だけでは取引内容が分からない
- 複雑な仕訳に対応しにくい
といったこともあり、 結局、請求書・領収書・利用明細などを別で確認する必要があるケースも。
そのため、連携すれば効率化できるとは限りません。
②会計処理のズレ・二重計上のリスク
経費については、「お金を払った時」ではなく、
「モノやサービスの提供を受けた時」に認識する必要があります。
これを「発生主義」と言います。
クレジットカードの連携だけに頼っていると、
- 利用日
- 請求日
- 引き落とし日
- サービス提供日
の関係が分かりにくくなり、計上時期を誤ることがあります。
また、クレジットカード明細から経費を登録しているにもかかわらず、別途、請求書や領収書をもとに同じ経費を登録してしまうと、二重計上になります。
◇クレジットカードの連携
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 経費 | 100 | 未払金 (クレジットカード) | 100 |
◇請求書からも登録
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 経費 | 100 | 未払金 (クレジットカード) | 100 |
このように、同じ取引を二重に登録してしまうリスクがあります。
クレジットカード連携データに証憑を自動取得・紐づけできるサービスもありますが、
それでも内容確認や二重計上防止の確認は必要です。
③結局、確認作業が残る
クレジットカードの種類やクラウド会計ソフトとの連携状況によっては、
明細の反映が遅いこともあります。
また、クレジットカード連携を使う場合でも、
二重計上を避けるためには、次のような点を確認する必要があります。
- どの証憑をもとに経費計上したのか
- クレジットカード明細から登録するのか
- 請求書や領収書から登録するのか
- 同じ取引を二重に登録していないか
そのため、クレジットカード連携を使っていても、確認・修正の手間が完全になくなるわけではありません。
この点を踏まえると、
- クレジットカード連携を使い、自分なりのルールで管理する
- クレジットカード連携を使わず、証憑ベースで経理する
- 一部の取引だけクレジットカード連携を使う
といった選択肢があります。
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初回相談はこちらクレジットカード連携の使いどころ
クレジットカード連携は、使い方を決めておけば便利な機能です。
特に、次のような取引では活用しやすいと考えています。
可能であれば、用途別にクレジットカードを分けておくと、経理処理もしやすくなります。
①証憑自動取得ができるものは使う
例えば、Amazon Businessなど、購入データや証憑を自動取得できる連携であれば、入力や確認の手間を減らしやすくなります。
こういったサービスは積極的に活用しても良いと思います。
Amazonでの購入が多い場合、都度手入力するよりも、連携機能を活用した方が効率的です。
②サブスクリプションには使う
2つ目の活用方法としては、
サブスクリプションのような定型的な取引に使うというものです。
- 毎回同じ取引(頻度や金額、相手先)
- 自動で更新されるもの(こちらが都度使う判断をしていないもの)
- 判断の余地がないもの(一本の仕訳で問題ないもの)
といった点を満たしているなら、
クレジットカードを連携しておくのも有効だと感じます。
反対から言えば、
- 単発の取引
- 自動で更新されないもの
- 会計処理の判断が必要なもの
は、無理に連携しない方が整理しやすいこともあります。
③経費の計上漏れのチェック用に使う
クレジットカード連携を、経費計上のメインではなく、確認用として使う方法もあります。
基本は、請求書や領収書・レシートをもとにデータ入力をしておき、
「他に計上をし忘れているものがないか?」
をクレジットカード連携で取得した明細上で確認する、といったイメージです。
まとめ
クラウド会計では、クレジットカード連携が便利な機能として紹介されることが多くあります。
ただし、クレジットカード連携は必須ではありません。
大切なのは、連携すること自体ではなく、
手間を最小限にしつつ、早く・正確に経理できる仕組みを作ること
です。
そのためには、初期の段階で、
- どの口座・カードを連携するか
- どの資料をもとに経費計上するか
- クレジットカード明細をメインで使うのか、チェック用に使うのか
- 二重計上を防ぐルールをどう作るか
を決めておくことが重要です。
当事務所では、freeeやマネーフォワードクラウドを使った経理ルールの整理、初期設定、運用設計のご相談にも対応しています。
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