FAQ No.012

取引先との飲食費は会議費と交際費のどちらで処理しますか?

ご相談内容
取引先との会食や懇親会の費用を、会議費と交際費のどちらで処理すればよいでしょうか。ひとり法人や小規模法人でも、1人当たり1万円以下かどうかまで細かく区分する必要があるのでしょうか。
回答
Contents

結論

取引先との会食や懇親会など、接待や親睦を目的とする飲食費は、法人税上は原則として「交際費等」に該当します。

帳簿上は、会社の経理ルールに応じて「交際費」「会議費」などを使い分けることがありますが、法人税上の取扱いは勘定科目の名前ではなく、実際の支出内容で判断します。

ただし、資本金1億円以下など一定の中小法人では、
交際費等は年800万円まで損金算入できます。
※接待飲食費の50%を損金算入する方法との選択適用です
※年800万円は12か月の事業年度を前提です(12か月に満たない場合は月数に応じて計算)

そのため、交際費等が年間800万円以内に収まることが多いひとり法人や小規模法人では、

「会議費か交際費か」
「1人当たり1万円以下か」

こういったことを日々の経理で必要以上に細かく悩んでも、
法人税額が変わらないケースが多いと考えてよいでしょう。


フローチャートで見ると、こんなイメージです。

法人の飲食費の考え方
その飲食費は、会社の事業に関係していますか?
YES
次に、その支出の内容を確認します。
NO
私的な飲食費などは、原則として会社の経費にはできません。
↓
取引先との接待・会食・懇親などですか?
YES
原則として法人税上の「交際費等」を検討します。
NO
内容に応じて、通常の経費として処理します。
↓
取引先等との飲食費で、1人当たり1万円以下ですか?
※一定の記録を保存していることが前提です。
YES
一定の要件を満たせば、法人税上の「交際費等」から除外できます。
NO
交際費等として扱います。
↓
中小法人では、ここで過度に悩まなくてもよいことが多いです。

なぜなら、一定の中小法人では、交際費等を年800万円まで損金算入できるから。

そのため、交際費等が年間800万円以内に収まるひとり法人・小規模法人では、 1万円基準によって法人税額が変わらないケースも多くなります。

会議費と交際費の考え方

両者を比較してみます。

会議費として考えやすいもの 交際費等として考えやすいもの
主な内容 会議や打合せに通常必要な飲食など 取引先との接待、会食、懇親会など
法人税上の扱い 会議に通常必要な費用であれば、交際費等から除かれます 原則として交際費等として扱います
中小法人では 通常の経費として処理します 一定の中小法人では、交際費等を年800万円まで損金算入できます

大切なのは、勘定科目を細かく分けること自体よりも、
誰と、どのような目的で支出した費用なのかを後から確認できるようにしておくことです。

800万円以内でも何でも経費になるわけではありません

交際費等が年800万円以内だからといって、
個人的な飲食代まで会社の経費にできるわけではありません。

会社の事業に関係する支出であることが前提です。
そのため、領収書だけでなく、取引先名や飲食の目的なども分かるようにしておくと、後から内容を確認しやすくなります。

また、「会議費」として記帳していても、
実態が接待や懇親を目的とするものであれば、
法人税申告では、交際費等として扱う必要があるか確認します。

補足:1人当たり1万円以下の飲食費

取引先など社外の人との飲食費については、1人当たり1万円以下で、必要な事項を記録した書類を保存している場合、法人税上の交際費等から除外できる制度があります。

ただし、一定の中小法人で、もともと年間の交際費等が800万円以内に収まるのであれば、
この1万円基準を使って交際費等から外しても、外さなくても、法人税額に影響しないケースが多いです。

頭の片隅に置いていただければ、十分だと思います。

参考情報・根拠 3件
国税庁 No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算
概要
交際費等の範囲、社外飲食費の1人当たり1万円以下の基準、必要な保存事項を示しています。また、資本金1億円以下など一定の中小法人については、交際費等のうち年800万円を基準とする定額控除限度額と、接待飲食費の50%を基準とする方法を選択できることを示しています。
このFAQとの関係
ひとり法人・小規模法人で交際費等が年800万円以内に収まる場合には、定額控除限度額を使うことで交際費等を全額損金算入できるケースが多く、1万円基準を適用できるかどうかが法人税額に影響しないことがある、という説明の根拠となります。また、1万円基準を補足する根拠にもなります。
国税庁 法人税法(基礎編)令和8年度版
概要
令和8年1月1日現在の法令・通達に基づき、交際費等の損金不算入制度を整理しています。資本金等が1億円以下の法人などについて、年800万円の定額控除限度額を使う方法を選択できることや、現行制度の適用期間を示しています。
このFAQとの関係
2026年時点でも中小法人の年800万円の定額控除限度額が適用されていることを確認する最新の一次情報として使用しています。また、制度に適用期限があるため、今後の税制改正で再確認が必要であることの根拠となります。
国税庁 令和7年版 法人税のあらましと申告の手引
概要
法人税申告書の別表十五について、交際費等の損金算入限度額の計算方法や記載方法を示しています。交際費等に該当する支出を「交際費」以外の支出科目で経理している場合も、支出科目ごとに別表十五へ記載することとされています。
このFAQとの関係
帳簿上で「会議費」などの科目を使用していても、それだけで法人税上の交際費等から外れるわけではなく、申告時には支出の実態を確認する必要があることの根拠となります。

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