A回答
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結論
清算結了時の決算報告書は、損益計算書の収益・費用をそのまま転記する書類ではありません。
会社法施行規則では、清算期間中の債権回収や資産処分による収入、債務弁済や清算費用による費用、残余財産、一株当たりの分配額を記載することとされています。
そのため、総勘定元帳や預金明細などから、清算中に実際にどのような回収・換価・弁済・支払をしたかを確認して作成します。
| 比較 |
通常の決算書(B/S・P/L) |
清算結了時の決算報告書 |
| 主な目的 |
一定期間の経営成績や、 一時点の財産の状態を示す |
清算中に行った回収・換価・弁済などの結果を示す |
| 収入 |
会計上の収益を計上する |
債権の回収や資産の処分などによって実際に得た収入を整理する |
| 費用 |
会計上の費用を計上する |
債務の弁済や清算費用の支払いなどを整理する |
| 最後に残った財産 |
貸借対照表の純資産として表示する |
残余財産と株主への分配内容を整理する |
主な目的
通常の決算書(B/S・P/L)
一定期間の経営成績や、一時点の財産の状態を示す
清算結了時の決算報告書
清算中に行った回収・換価・弁済などの結果を示す
収入
通常の決算書(B/S・P/L)
会計上の収益を計上する
清算結了時の決算報告書
債権の回収や資産の処分などによって実際に得た収入を整理する
費用
通常の決算書(B/S・P/L)
会計上の費用を計上する
清算結了時の決算報告書
債務の弁済や清算費用の支払いなどを整理する
最後に残った財産
通常の決算書(B/S・P/L)
貸借対照表の純資産として表示する
清算結了時の決算報告書
残余財産と株主への分配内容を整理する
損益計算書とは分けて考えます
たとえば、受取利息のように実際の入金を伴うものは、決算報告書の収入に含まれると考えられます。
一方、債務免除益のように、債務がなくなったことで会計上計上される利益は、損益計算書に収益として計上されているという理由だけで、決算報告書の「収入の額」へそのまま転記するものではありません。
費用についても同様です。
損益計算書の費用だけを見るのではなく、借入金などの債務を実際に弁済した額や、清算に伴って支払った費用などを確認します。
残余財産と株主への分配
債務免除があった場合、債務免除益そのものを残余財産へ振り替えるわけではありません。
債務を返済しなくてよくなった結果として会社に財産が残れば、その最終的な財産が残余財産に反映されます。
残余財産がある場合は、その額と株主への分配内容を整理します。会社法施行規則では一株当たりの分配額を記載し、残余財産の分配を完了した日や、金銭以外の財産を分配した場合にはその種類・価額も注記します。
法務局の記載例では、株主へ分配した総額を「清算換価実収額」として示したうえで、株式ごとの分配額を記載する形式も掲載されています。
図でまとめるとこのようなイメージです。
① 債務免除がある
借入金などの返済が免除されます。
→
② 返済しなくてよくなる
その分、会社の財産が減らずに済みます。
→
③ 最後に財産が残るか確認
清算費用や他の支払い後に、財産が残れば残余財産になります。
→
④ 株主へ分配
残余財産があれば、株主への分配内容を決算報告書に記載します。
ポイント:
債務免除益そのものを、決算報告書の残余財産へ直接書くわけではありません。
債務免除によって返済不要となった結果、最終的に会社に財産が残れば、その残った財産が残余財産に反映されます。
作成するときに確認したいもの
- 清算開始から結了までの総勘定元帳
- 預金通帳・入出金明細
- 売掛金などの債権回収額
- 固定資産などの売却・処分内容
- 借入金などの弁済額・債務免除額
- 税理士・司法書士報酬などの清算費用
- 残余財産の額と株主への分配内容
なお、この決算報告書は税務署へ提出する法人税申告書そのものではありません。
会社法上、清算事務の終了後に作成して株主総会の承認を受け、清算結了登記ではその承認を証する書面を添付します。
清算時の税務申告とは分けて整理し、帳簿から決算報告書の金額を確認していくことが大切です。
参考情報・根拠
4件
法令
会社法施行規則(平成18年法務省令第12号)第150条「決算報告」
概要
清算株式会社の決算報告には、債権の取立てや資産の処分等による収入の額、債務の弁済や清算費用等による費用の額、残余財産の額、一株当たりの分配額を記載することが定められています。また、残余財産の分配完了日や、金銭以外の財産を分配した場合の種類・価額についても注記が必要です。
このFAQとの関係
損益計算書の収益・費用をそのまま転記するのではなく、清算事務として行った債権回収、資産処分、債務弁済、清算費用の支払等を整理して決算報告を作成する根拠となります。
原文を見る ↗
法令
会社法(平成17年法律第86号)第507条
概要
清算株式会社は、清算事務が終了したときに決算報告を作成し、清算人から株主総会へ提出または提供して、その承認を受けなければならないことが定められています。
このFAQとの関係
今回の決算報告書が税務申告書そのものではなく、会社法上の清算事務終了時に作成・承認する書類であることの根拠となります。
原文を見る ↗
その他
商業・法人登記の申請書様式「1-17 株式会社清算結了登記申請書」
概要
法務局が株式会社の清算結了登記について申請書様式と記載例を公表しています。添付書類として決算報告書を含む株主総会議事録が示され、決算報告書の記載例では、収入、費用、現在の残余財産、株主への分配内容が整理されています。
このFAQとの関係
実際に清算結了登記を行う際の決算報告書の構成を確認できます。記載例では、残余財産を分配した総額を「清算換価実収額」として示したうえで、株式ごとの分配額を記載する形式が確認できます。
原文を見る ↗
法令
商業登記法(昭和38年法律第125号)第75条
概要
清算結了登記の申請には、会社法第507条第3項による決算報告の承認があったことを証する書面を添付することが定められています。
このFAQとの関係
決算報告書が清算結了登記の手続と結び付いた書類であり、株主総会による承認が必要であることを確認する根拠となります。
原文を見る ↗
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