結論
個人事業主の場合、1年間の課税売上高が1,000万円を超えると、
原則として2年後から消費税の申告が必要になります。
ただし、売上が1,000万円を超えても、インボイス登録は義務ではありません。
消費税の申告が必要かどうかと、インボイス登録をするかどうかは、別々に考えます。
売上が一時的に1,000万円を超えた場合
消費税の申告が必要かどうかは、基本的に2年前の課税売上高で決まります。
※この2年前の期間を「基準期間」といいます。
たとえば、2026年だけ課税売上高が1,000万円を超え、2027年に売上が減ったとしても、
原則として2028年は消費税の申告が必要です。
2029年は、2027年の課税売上高をもとに判断します。
2027年の課税売上高が1,000万円以下で、ほかの条件にも当てはまらなければ、2029年の消費税の申告は不要です。
特定期間について
2年前の課税売上高が1,000万円以下でも、
前年の1月~6月の課税売上高が1,000万円を超えると、原則として消費税の申告が必要になります。
※この前年1月~6月を「特定期間」といいます。
ただし、国内の個人事業主の場合は、
特定期間の売上に代えて、同じ期間に支払った給与などの金額で判断できます。
給与などの支払額が1,000万円以下であれば、
特定期間を理由に消費税の申告が必要になることはありません。
つまり、給与などを一切支払っていなければ、給与等支払額は0円です。
そのため、特定期間の判定によって課税事業者になることはありません。
インボイス登録と税務署への届出
2年前の課税売上高が1,000万円を超えた場合は、
原則として「消費税課税事業者届出書(基準期間用)」を税務署に速やかに提出します。
ただし、すでにインボイス登録をしている場合は、登録した年の翌年以降について、この届出書の提出は不要です。
一方で、インボイス登録は任意です。
登録していないとインボイスを発行できないため、
取引先がインボイスを必要としているかどうかなどを確認して判断します。
なお、インボイス登録をしている間は、課税売上高が1,000万円以下でも、原則として消費税の申告が必要です。
売上が少なくても申告が必要になる点には、注意しましょう。
売上が再び1,000万円以下になった場合の注意点
これまで課税事業者だった人が、2年前の課税売上高が1,000万円以下になったことで免税事業者に戻る場合は、原則として「消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書」を税務署に提出します。
ただし、インボイス登録をしている場合は、この届出書の提出は不要です。
インボイス登録を続けている間は、売上が減っても消費税の申告が必要です。
また、自分で課税事業者になることを選んでいる場合も、その選択が続いている間は消費税の申告が必要です。
そのため、2年前の課税売上高だけでなく、インボイス登録の状況や、過去に提出した届出書も確認しておきましょう。