A回答
Contents
結論
スマホを下取りに出して買い替えた場合は、
新しいスマホの購入と、古いスマホの下取りを別の取引として考えます。
| 確認項目 | 新しいスマホ | 古いスマホ |
| 基本的な取扱い | 新しい資産の取得として処理します。 | 古い資産の譲渡として処理します。 |
| 仕事・私用の共用 | 合理的な基準で事業使用部分を区分します。 | 下取りについても、古いスマホの事業使用部分を区分します。 |
| 所得税 | 取得価額をもとに固定資産計上を行い、事業私用分について、減価償却や少額減価償却資産の特例を検討します。 | 取得時期・取得価額・これまでの減価償却方法などを確認して処理します。 |
| 消費税 | 事業使用部分について課税仕入れを検討します。 | 事業使用部分に対応する下取り対価が課税対象となります。 |
下取り額を新しいスマホの取得価額から差し引いて差額だけを処理するのではなく、
「新しいスマホの取得」と「古いスマホの譲渡」をそれぞれ確認するのがポイントです。
新しいスマホの購入
新しいスマホは、その取得価額を基準に減価償却の方法を判断します。
※取得価額の判定は、家事按分前の金額で行います。
たとえば、スマホの取得価額が45万円、事業利用割合が80%の場合、
事業利用分は36万円ですが、減価償却方法の判定は45万円を基準に行います。
そのため、40万円未満となる少額減価償却資産の特例の対象にはなりません。
青色申告者であれば、2026年4月1日以後に取得した10万円以上40万円未満の減価償却資産について、少額減価償却資産の特例(取得時に全額を必要経費とする方法)を利用できます。
※一定の要件あり
なお、仕事と私用の両方で使う場合は、使用状況など合理的な基準により業務部分を区分します。
特例を利用する場合も、仕事で使う部分が必要経費になります。
古いスマホの下取り
下取りは、古いスマホを譲渡した取引として別に確認します。
所得税上の処理は、旧端末の取得価額、取得時期、これまでの減価償却方法などによって変わります。
大前提として、
「事業用の減価償却資産を売却した場合は、原則として譲渡所得となる」
という点を押さえておくことが大切です。
| 確認項目 |
通常の 減価償却資産
|
取得価額 10万円未満※1
|
一括償却資産※1・※2
|
少額減価償却資産の 特例を使った資産※3
|
| 具体例 |
通常の方法で減価償却している
パソコン・スマホなど
|
取得時に全額を必要経費にした
10万円未満のパソコン・スマホなど
|
一括償却資産として処理した パソコン・スマホなど
|
青色申告者が少額減価償却資産の特例を使って、
全額を必要経費にしたパソコン・スマホなど
|
売ったときの
所得税
|
原則として、譲渡所得として扱います。※4
|
事業で使用していた場合は、原則として
事業所得として扱います。※1
|
事業で使用していた場合は、原則として
事業所得として扱います。※1
|
原則として、譲渡所得として扱います。※4
|
※1 取得価額10万円未満の減価償却資産や一括償却資産でも、「業務の性質上、基本的に重要なもの」に該当する場合は、原則として譲渡所得として扱います。「業務の性質上、基本的に重要なもの」とは、その業務を行うために直接必要で、業務の遂行上欠くことのできない減価償却資産をいいます。
※2 一括償却資産とは、取得価額10万円以上20万円未満の減価償却資産について、3年間で均等に必要経費にする方法を選択した資産です。
※3 2026年4月1日以後に取得した資産については、一定の要件のもと、取得価額10万円以上40万円未満の資産が少額減価償却資産の特例の対象となります。
※4 固定資産を反復継続して売却することが事業の性質上通常である場合などは、事業所得として扱うことがあります。
上記のようにケースが分かれるため、
古いスマホを取得したときにどのような処理をしていたかを確認することが重要です。
消費税も、新旧それぞれ確認が必要
消費税の課税事業者が、仕事と私用で共用するスマホを購入した場合は、実際の使用状況に基づく使用率など合理的な基準で、事業部分を区分します。
古いスマホも事業と家事の共用資産であった場合には、下取り対価を事業部分と家事部分に合理的に区分し、事業部分が消費税の課税対象となります。
買い替え時は、新旧端末を相殺せず、「新しい端末の取得」と「古い端末の譲渡」を分けて確認しましょう。
参考情報・根拠
8件
国税庁
No.6305 商品の安売りや下取りがあるとき
概要
下取りを伴う取引では、新しい資産の取引と旧資産の下取りを相殺せず、それぞれ別個の取引として扱うことを示しています。
このFAQとの関係
スマホの買替えについて、新しい端末の取得と古い端末の下取りを分けて整理する考え方の根拠として参照しています。
原文を見る ↗
国税庁
No.2100 減価償却のあらまし
概要
減価償却資産の基本的な取扱いに加え、一定の青色申告者について、2026年4月1日以後に取得した取得価額10万円以上40万円未満の減価償却資産を、一定の要件のもと年間合計300万円まで必要経費に算入できる特例を示しています。
このFAQとの関係
新しいスマホの取得価額を基に減価償却方法を判断すること、および少額減価償却資産の特例の現行の金額基準・適用期限を確認する根拠となります。
原文を見る ↗
国税庁
No.2210 必要経費の知識
概要
家事上の費用は必要経費にならず、仕事と家事の双方に関係する家事関連費については、取引の記録などに基づき業務上必要な部分を明確に区分できる場合に、その部分を必要経費にできることを示しています。
このFAQとの関係
仕事と私用で共用するスマホについて、家事使用部分を除き、業務に必要な部分を合理的に区分して必要経費とする考え方の根拠となります。
原文を見る ↗
国税庁
No.1460 譲渡所得(土地、建物及び株式等以外の資産を譲渡したとき)
概要
土地・建物・株式等以外の資産の譲渡について、原則的な譲渡所得の計算方法と、取得価額10万円未満の減価償却資産や一括償却資産など、譲渡所得に含まれない資産の取扱いを示しています。取得価額10万円未満の減価償却資産については、「業務の性質上基本的に重要なもの」を除くことも明記されています。
このFAQとの関係
古いスマホの下取りについて、通常の減価償却資産は原則として譲渡所得となる一方、取得価額や過去の処理によって事業所得等となるケースがあることを整理する根拠となります。
原文を見る ↗
法令
所得税法施行令 第81条(譲渡所得の基因とされない棚卸資産に準ずる資産)
概要
譲渡所得に含まれない資産として、取得価額10万円未満の減価償却資産や一括償却資産を定めています。一方、それぞれについて「その者の業務の性質上基本的に重要なもの」を除くことを明記しています。
このFAQとの関係
取得価額10万円未満の資産や一括償却資産であっても、「業務の性質上基本的に重要なもの」に該当する場合は、譲渡所得から除外する取扱いの対象にならず、原則的な譲渡所得として扱うことを確認する直接の法令上の根拠となります。
原文を見る ↗
通達・告示
所得税基本通達33-1の2(少額重要資産の範囲)
概要
所得税法施行令第81条第2号・第3号の「その者の業務の性質上基本的に重要なもの」について、その者の目的とする業務の遂行上直接必要な減価償却資産で、業務遂行上欠くことのできないものをいうと定めています。また、そのような資産でも、事業の性質上、事業供用後に反復継続して譲渡することが通常である場合には、その譲渡による所得が事業所得となることを示しています。
このFAQとの関係
表中の「業務の性質上、基本的に重要なもの」の意味を具体化するとともに、重要資産に該当する場合の原則的な所得区分と、反復継続して譲渡することが事業上通常である場合の例外を説明する根拠となります。
原文を見る ↗
通達・告示
消費税法基本通達 第11章 第1節 通則(11-1-4 家事共用資産の取得)
概要
個人事業者が事業と家事の双方に使用する資産を取得した場合、家事使用部分は課税仕入れに該当せず、実際の使用率など合理的な基準により事業部分を計算することを示しています。
このFAQとの関係
仕事と私用で共用する新しいスマホについて、消費税上も実際の使用状況に基づいて事業部分を区分する根拠となります。
原文を見る ↗
国税庁質疑応答事例
事業用及び家事用の両方に使用している資産を売却した場合の課税関係
概要
事業と家事の双方に使用している資産を売却した場合、消費税では原則として譲渡対価を事業部分と家事部分に区分し、事業部分を課税対象とすることを示しています。
このFAQとの関係
仕事と私用で共用していた古いスマホを下取りに出した場合に、下取り対価のうち事業部分について消費税の課税関係を確認する根拠となります。
原文を見る ↗
ご自身の状況に当てはめて確認したい方へ
個別の事情を確認しながら判断したい場合は、以下のサービスをご利用いただけます。
← 税務・経理のよくあるご相談一覧へ