FAQ No.025

会場の下見を兼ねた飲食代は経費にできますか?

ご相談内容
個人事業主や法人が、イベントや打ち合わせで利用する会場候補を確認するため、実際に飲食をした場合、その費用は経費にできるのでしょうか。下見の頻度や、残しておくべき記録についても知りたいです。
回答
Contents

結論

イベントや打ち合わせなどで利用する会場を選ぶため、実際に会場を利用してサービスや飲食内容などを確認する必要がある場合、その下見に伴う飲食代は経費となり得ます。

ただし、「下見」という名目だけで経費になるわけではありません。

  • なぜその会場を確認する必要があったのか
  • 何を確認したか
  • その結果を事業にどう活かしたか

など、事業との関係を具体的に説明できることが重要です。

下見の回数だけでは決まらない

「月に何回までなら経費になる」といった一律の回数基準はありません。

ただし、頻度も事業上の必要性や合理性を説明する際の事情の一つになります。

開催予定や候補となる会場の数などに照らして利用回数が多ければ、それぞれの下見がなぜ必要だったのかを説明できるようにしておく必要があります。

反対に、頻度を抑えれば自動的に経費になるわけでもありません。
各回の目的と実態を合わせて判断します。

実際に何を確認したかを具体的に残す

たとえば、会場候補を訪れた際に、
次のような事項を具体的に確認しているのであれば、事業との関係を説明しやすくなります。

  • 会場の広さや使い勝手
  • サービスや飲食内容
  • 参加者への提供方法
  • 料金や利用条件
  • 他の候補との違い

飲食サービスそのものがイベントや企画の重要な要素であれば、実際に注文して内容を確認する必要性も説明しやすいでしょう。

個人事業主と法人で注意点が異なります

基本的な考え方は共通しますが、個人事業主と法人では、私的な飲食や接待・供応に該当する場合の税務上の取扱いが異なります。

確認項目 個人事業主 法人
事業のための下見 業務上必要な支出であれば、必要経費として検討します。 会社の事業に必要な支出であれば、事業上の費用として検討します。
私的な飲食 必要経費にはできません。 役員の私的な飲食であれば、役員への経済的利益として給与の取扱いが問題になることがあります。
事業と私的利用が混在 取引の記録などから、業務上必要な部分を明確にできることが重要です。 会社の事業との関係や支出目的を明確にしておくことが重要です。
接待・供応を目的とする場合 支出の目的や事業との関係を踏まえて判断します。 得意先などへの接待・供応であれば、「交際費等」に該当するかを別途確認します。
個人事業主
事業のための下見
業務上必要な支出であれば、必要経費として検討します。
私的な飲食
必要経費にはできません。
事業と私用が混在
取引の記録などから、業務上必要な部分を明確にできることが重要です。
接待・供応を目的とする場合
支出の目的や事業との関係を踏まえて判断します。
法人
事業のための下見
会社の事業に必要な支出であれば、事業上の費用として検討します。
私的な飲食
役員の私的な飲食であれば、役員への経済的利益として給与の取扱いが問題になることがあります。
事業と私用が混在
会社の事業との関係や支出目的を明確にしておくことが重要です。
接待・供応を目的とする場合
得意先などへの接待・供応であれば、「交際費等」に該当するかを別途確認します。

領収書だけでなく、下見の内容も残しておく

領収書を保存するだけでなく、各回について、次のような内容を記録しておくとよいでしょう。

  • 訪問した会場と参加者
  • 下見や打ち合わせの目的
  • 実際に確認した事項
  • 他の候補との比較結果
  • 採用・不採用の判断や、その後の企画への反映

「下見をした」という事実だけではなく、事業上なぜ必要だったのか、その支出が実際の事業にどうつながったのかを後から説明できる状態にしておくことが大切です。

参考情報・根拠 4件
国税庁 No.2210 必要経費の知識
概要
事業所得などの必要経費には、総収入金額を得るために直接要した費用や、その年に生じた販売費、一般管理費その他の業務上の費用が含まれます。また、家事上と業務上の両方に関係する費用については、取引の記録などに基づき、業務遂行上直接必要であった部分を明確に区分できる場合に、その部分を必要経費にできると説明されています。
このFAQとの関係
個人事業主の会場下見に伴う飲食費について、名称ではなく、実際に業務上必要な支出であるかを確認することの根拠となります。私的な飲食の性格が含まれる場合には、業務上必要な部分を記録などから明確にできることも重要です。
国税庁 No.5387 販売費、一般管理費その他の費用における債務確定の判定
概要
法人税では、別段の定めがあるものを除き、各事業年度の販売費、一般管理費その他の費用の額が損金の額に算入されることを説明しています。
このFAQとの関係
法人が事業のために行う会場の下見費用について、法人の業務上の費用として損金算入を検討する際の基本的な根拠となります。
国税庁 No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算
概要
法人税上の交際費等について、得意先、仕入先その他事業に関係のある者などに対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出する費用と説明しています。また、法人の区分などに応じて損金不算入額の計算方法が定められています。
このFAQとの関係
法人が負担した飲食費について、飲食を伴うという理由だけで判断するのではなく、その支出が接待・供応などを目的とするものであれば、通常の事業経費とは別に交際費等の取扱いを確認する必要があることの根拠となります。
国税庁 No.5202 役員等に対する経済的利益
概要
法人が役員等に供与する経済的利益について、実質的に給与を支給したのと同様の経済的効果をもたらす場合には、役員給与としての取扱いが問題となることを説明しています。役員への経済的利益については、定期同額給与などの要件を満たさない場合、損金に算入されないことがあります。
このFAQとの関係
法人が「会場の下見」として支出していても、実際には役員の私的な飲食であった場合には、単純な事業経費ではなく、役員への経済的利益としての取扱いを確認する必要があることの根拠となります。

ご自身の状況に当てはめて確認したい方へ

個別の事情を確認しながら判断したい場合は、以下のサービスをご利用いただけます。

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